狭小地で防火地域、しかも第2種高度地区、さらに最低限度高度地区7m。
高さの上限と下限が決められて、防火地域のため3階なら耐火建築物になってしまう。
耐火建築物はコストがかかる。高度斜線制限のため敷地の半分は3階建てはできない。
そのために耐火建築物は負担が大きいので、ロフト付き2階建てで進めることとなった。
高度斜線から、軒高で間口2間(約3.6m)に満たない計画になる。
高度斜線いっぱいに屋根を作って、建築面積の過半を高さ7m以上にしなければならない。
西側隣地の住宅の窓に配慮して、こちら側で目隠し設置が建設条件にある。
東側の眺望とルーフバルコニがご要望。
東側は最低限度高度で高さを確保するエリア。
難解なご要望の解決策は、ルーフバルコニを西側に、それに続く東側には東屋を設ける。
西側の隣地目隠し対策は、壁を立てると高度斜線にかかってNG。
縦格子ならOKだが、目隠しにはならない。
ならば、手摺の内側にテントという手もある。
さらに、広告塔なら常設で目隠しにも使え、斜線制限にも抵触しない。
言うは簡単、行うは難し。
工務店さんとも相談が必用。
それにしてもなぜこのような地域があるのか。
その理由は、近くに防災公園があって、公園の防火上の安全性を周辺建物の耐火性によって担保する狙いがある。
その公園周囲は住宅地のため、住環境維持のため北側の建物高さを制限する高度地区に指定されている。
敷地が大きければ、高度斜線の影響は小さくなり、耐火建築物のメリットもあり、その狙いは正しい。
しかし、都心の地価が上昇を続け、土地の小割が余儀なくされる状況にある。
あの手この手で発想をすれば、狭小地も都に変えられる。