ボリューム・スタディで容積の最大化を図ると、直方体+三角の積木になる。
さらに、その積木の凸凹を少なくすれば床面積に対する表面積も小さくなる。
形をシンプルにすると材料が減る。
材料が減るということは、材料費のみならずその分の工事費用も減る。
出っこみ引っ込みのない積木は、デザインとしては物足りなさを感じてしまうかもしれない。
限られた空間をいかに使うかが設計テーマ。
デザイン重視の狭小住宅もありだが、どこまで床面積とバータにできるか。
そして、暮らし方も特別になる。
なかなかチャレンジングなリクエストに出会うことはないし、それを無責任には提案できない。
建物全体のボリュームから床面積は減らさないで、高さ減らす。
天井裏を減らし、天井も建主と協議しながら可能な限り低くする。
べた基礎なら1階の床高も低くできる。
結果、建物全体が低くなって、材料が減る。
天井を屋根まで高くすると、気持ちも晴れるが室内の仕上げ面積は増えてしまう。
天井を高くすると排煙開口が難しくなることがあるのでそれと合わせて注意する。
スペースをとるかコストをとるか。
自然素材を使った職人による仕事は美しい。
しかし、都市部の狭小地は、防火・耐火の要件からそれができる仕事も限られてしまう。
耐候性とメンテナンスも考慮しておかなければならない。
メンテナンス作業スペースの確保も状況によっては容易ではないかもしれない。
それが頻繁だとランニングコストがかさむ。
好みを抜きにすると客観的評価は量産される工業製品に軍配があがる。
品質の安定性と、性能と施工性の向上も認められる。
コストダウンには、工業製品を特注にしないでそのままで使う。
造作家具は家具屋さんか、大工さんが担当する。
家具屋さんは板物を使い精度も高く繊細、お値段も高め。
大工さんは真物を使い堅牢で、その場所に合わせる、手間賃なので安め。