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狭小住宅 ボリューム・スタディ


用途地域が住居系の場合、高度地区など北方向の斜線制限によって敷地の北側部分が高くできないことが多い。

特に狭小敷地では敷地に余裕が取れないと、2階以上の部分に北方向の斜線制限が直接影響を及ぼしてしまう。

民法では敷地境界から外壁までの距離を50㎝以上とることになっているので、相手の同意で建設可能な位置まで外壁を移動することができる。

 

次にボリューム算定ソフトを使って、敷地情報と都市計画情報を入力すると、可能な大きさ・形が計算される。

その姿は縦のストライブで表現されることから、「かごかけ」とも呼ばれている。

かごかけで影響を受けそうな屋根や外壁をチェックする。

そして、モジュールと呼ばれる基本寸法を、木造では910mmの単位で縦・横に方眼紙状に割りつけてみる。

 

道路や隣地との離隔を想定しながら、かごかけ内でモジュールに合わせて階ごとに最大の直方体を作る。

床高・天井高・階高・屋根厚を仮に想定して積木の高さを決める。

かごかけは道路斜線の制限も受けるが、こちらは天空率でクリアするとして、道路斜線は一旦無視する。

直方体の積木が重ねられた状態になる。

 

ポイントは、直方体の積木が斜線制限で削られないようにすること。

直方体の上に三角の積木が載る。これが屋根になる。

階の途途に斜線制限がかかってしまうと、構造架構がシンプルにならなくなる。

特に建物の長手側はよいが、短手側でそれをすると、外周以外に余計な柱が出てきてしまう。

 

 

北方向の斜線を受けない隣地境界線側の外壁は、ボリュームの最大化しようとすると隣地境界線側に寄ってしまい、空調室外機は置けるスペースがなくなることや、竣工後のメンテナンスもやりにくくなるを意識しておく。

 

モジュールの方眼線を調整しながら積木の位置を決める。

外周は壁の厚みが伴うので、それを加味しておく。

これが最初の建物配置になる。