階段は立体的に斜めの移動空間。階段の上・下にデッドスペースが生まれる。
建物内部の二世帯に共用部分がない動線が別々の住宅分離型の場合は、階段に伴うデッドスペースは2倍になる。
それを解消する方法として、2つの階段を上下で重ねるてデッドスペースを通常の階段と同程度に抑えることができる。
ただし、2つの階段を重ねることを目時にしてしまうと、本来のプランニングがおろそかになって両世帯にとって最適とは言えないプランになりかねない。
階段重ねはオプションくらいの意識にして、直面のプランニングに集中するのがよい。
実際には階段重ねは、二世帯住宅の風致地区内で計画された。
風致地区のため建ぺい率は40%に指定されている。
それに外壁面の後退が規定されている。
条件付きだが、外壁を道路境界線と隣地境界線から後退させれば、その後退距離に応じて建ぺい率が割増される。
建ぺい率は外壁から1m以内のバルコニや屋根・外廊下、それと柱で支えられていない外階段は含まない。
分離型二世帯住宅のご要望のため、1~2階世帯と2~3階世帯に分け、上層世帯は外階段を使って2階に玄関を設けることにした。
各世帯のプランの最適化からは、下層世帯と上層世帯の階段はそれぞれ別の位置が望ましい。
ファーストプランをご覧になった建主から、完全分離型ではなく2階のトイレを共有したいとの申出があった。
その求めと併せて階段重ねを試みて、2~3階プランを変更した。
2つの階段が重ねらることで、両世帯の2階のデッドスペースが解消され、有効スペースが増えることになった。
狭小住宅でデッドスペースが有効スペースに逆転することの意義は大きい。