設計打ち合わせ第4回。
確認申請と契約用見積のための最終確認。
今回は工事担当者と電気設備工事担当者も同席。
間取りの変更はなく、電気設備の仕様と配置が確認された。
(窓ガラスのご要望がとんでもないことに、それは別の機会に)
各設備図はある程度想定しながら当社でたたき台を作り、施工者の意見を聞いて修正する。
すべての設備を同一の平面図にプロットして設備総合図にする。
規模によっては設備は電気設備・空調換気設備・給排水衛生設備の担当者が分かれていて、それぞれ別々に書かれる。
他の設備や構造体と干渉していても、お構いなしに図面は作られる。
そのため工事が始まるとすぐに設備間の調整が行われる。
設備もデザインに関わってくるので、配管ルートを含めて設計している。
今回は総合図も設計段階で作成して、肝心な部分は機器や配管も3Dで表現して確認することにした。
間口の狭い敷地で北側斜線は鬼門。
通常なら一部3階建て+ロフトになるのだが、設計条件はそれを満たさない。
1階床高と各階高を詰めて、クライアントのご要望に応えることができた。
しかし、その代償として設備機器の納まりと配管のルートに苦しめられることになる。
そのため設備も3Dで確認することにした。
設計会議に新たに参加した二人の職人は、3Dを使う設計会議は初めてで目を丸くしながらも、職人の本能は気になるところにおとなしくしてはいられない。
それが、クライアントの前であっても質問が飛んでくる。
そして3Dを見ながら二人の職人は、工事方法をああでもない・こうでもないと、設計会議を占拠してしまった。
設計図面では職人をこれほど白熱させることはなかった。
「設計が見える」ことは「工事も見える」ことにつながる。
施工者の設計参加は実現への可能性を高め、不具合をなくし、よりよい案が生まれる。
オーダメイドの極限は限界設計であろう。
しかし、一般には重層化された保険が余分なスペースを生み、時間とコストを消費者が負担している。
今回、その保険を1枚はがすことができたようだ。